イン・ザ・リバ-


1969-70, 16ミリ, カラー, 17分, サウンド

English


 「<カトマンズ・シリーズ>の第1作目で、カトマンズ郊外の聖なる川で水浴びする男のショットが基本になっている。このきわめてセレクトされたミニマルなイメージは、作家の注意深い操作によって再撮影され、限られた時間がその何倍もに拡大していく。再撮影の際に起こったヴァリェーションは、男の単調な動作に輝きを与え、非現実的な現実をリアライズする。」 (T.I.)

 「この作品(の意味)は、ミニマルな行為の時間を構造的に延長することにある。そして、ひとつの主題を非常にディテールにまでわたって探究することから瞑想的なリアリティが現われ、その中に入り、異常にもそれを実現する。その中に入って見ることを可能にする映画である。映画のテンポが遅くなり、ひとつの玉石のようなイメージのまわりを廻るとき、見る者の知覚は深い次元に到達する。」
カール・リンダー (「フィルムメーキング」,1976)



「別の形式的探究は『イン・ザ・リバー』に見られる。彼は再度撮影を使っているが、ここではスクリーンは小さい16ミリ編集機のビューアである。様々にカメラスピードを変え、カメラ内でのスーパーインポジションを用いながら、飯村がカトマンズで撮った聖なる川で身を清める男のフッテージを分析する。興味深いのは、川の流れの中で男が注意深く 浴する行為と、カメラを通したフィルムの流れの中で飯村が注意深く男の肉体的には単純な行動を分析することがパラレルな関係を生み出していることだ。男が感じている精神的な幻覚は16ミリのビュアーのフリッカーが生み出す曼陀羅状の輪によって反映されている。瞑想体験は作品に提示され、こうしてそのミニマルな行為と静かなペースは観客が瞑想に入る可能性を与えるのである。」
スコット・マクドナルド 
「飯村隆彦のフィルム」アフターイメージ, 1978.4)