1997年9月

飯村隆彦のNewsletter No.6

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リスボン映画祭で上映

60年代の映画、水戸芸術館で

バンクーバーでグランプリ

ケージにちなみシアトルでミニ・レト

リオ映画祭に再度招待

 ホームページがオープン

愛知県美術館でインスタレーション

ニューヨークのクリスマスに個展

Newsletter 5:::::78910

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■ リスボン国際映画祭で上映

  9月4日から14日まで開かれるリスボン(ポルトガル)国際映画祭に、近作の「私があなたを見るようにあなたは私を見る」(As I See You You See Me)(1997年)が上映される。これは、1990年に制作された同タイトルの作品のリメークで、1995年にロサンジェルスのカルフォルニア・アート・インスティテュートで行なわれたパフォーマンスを1997年に編集、完成したもの。前作とコンセプトは同じながら(ビデオにおけるフィード・バックを言葉、映像、音声で同時に現実化する)、パフォーマンスの映像をフィードバックの内部で捉えている。前作のポーランドのパフォーマンスでは、観客の反応を含め、映像のフィードバックの外部で捉えていたものとは、大きな相違である。また、音声が強調され、後半、フィードバックのキーンという音が耳障りな程つづくのが圧巻である。音声のポストプロダクションでは、古舘 徹夫氏が協力している。この映画祭には作家も参加する。

■ 60年代の映画、水戸芸術館で

 水戸芸術館が、1960年代を特集する「日本の夏1960-64 こうなったらやけくそだ!」(1997.8.2-9.28)で、飯村隆彦の1960年代の実験映画(当時は「アングラ映画」と呼ばれていた)を8月30日(土)、31日(日)に上映する。この催しは、
1960年代前半のネオ・ダダの美術運動を始め、美術、映像、舞踏、音楽など当時のアバンギャルドにスポットを当てるもの。飯村の実験映画も当時のニュー・メディア、8ミリ映画によって、いち早く時代に参加した。ネオ・ダダの本拠、読売アンデパンダンを記録した「DADA62」(1962)、小杉武久の音楽でネオ・ダダ的な廃物オブジェを撮った「くず」(1962)、オノ・ヨーコの音楽による「LOVE」(1962)など6作品が上映される。上映時間と場所の問い合わせは、水戸芸術館 Tel. 0292-27-8111ヘ。
■ バンクーバーでグランプリ

異色の映画祭で知られる「ラフで廃虚の映画祭」(ラフ・アンド・ルインド・フェスティバル、7月24日-25日)で「あいうえおん六面相」がグランプリを受賞した。この受賞には最高級のユーモアがあって、これまでの同作品が受賞したニューヨーク・フェスティバルで「ファイナリスト」賞を含む8つの賞に勝るものがあった。「ラフ・アンド・ルインド」、通称RR(ロールス・ロイス)で車の最高級車にひっかけた呼び名もさることながら、全くの手弁当で若い数人のカナダの女性たちが組織したフェスティバルは、文字通り、バンクーバ-の廃虚とも云うべきダウンタウンのゲットー地域にある@Galeryで開かれた。毎晩、12時から始まるフェスティバル には、若い人たちが押しかけ、ビールを飲みながらのリラックス気分。外国から唯一の、やはり自前で駆けつけた飯村を会場からやんやの拍手で迎え、「グランプリ」の発表。若い審査委員長から手製のトロフィーをが授与された。もっともこのトロフィー、その後に発表された各賞にも同一品が与えられ、さらに会場のもぎりにも与えられるというフェアさに、グランプリを受賞した本人も大いに感激した。もちろん、賞状や受賞金はなしというところも、RRの精神を発揮してあまりあるものだった。 
          

■ ケージにちなみシアトルでミニ・レトロ   

シアトルのメディア・アート・センターとして名高い 911メディアアートで真夏の最中、8月 18日にミニ・レトロが開かれた。プログラムは、この地で若い一時期を過ごしたジョン・ケージに捧げられ、「ジョン・ケージ・パフォームス・ジェームス・ジョイス」(1985年)の上映から始まった。ケージが易の方法で、ジェームス・ジョイスの「フィネガンス・ウェイク」を脱構築したテキストを、お経のように読み、唱うシーンには会場はシーンと静まり、途中ふとしたことでケージがストップ・ウォッチを落とすと、緊張していた空気がどっと割れた。飯村一人のためにのみ行なったケージのプライベート・パフォーマンスに、ケージになじみの深い観客からも、貴重なビデオと評価が高かった。他に、「アイ・ラブ・ユー」(1973-87)、「ダブル.ポートレイト」(1973-87)、「私があなたを見るように、あなたは私を見る」(1990)など、飯村のケージ作品にも共通するテキストを使ったコンセプチュアルなビデオを上映した。観客からは「なぜ、英語を使うのか」という質問もあって、「単なる翻訳ではない、マルチカルチャリズムとしてバイリンガルの作品を作っている」と答えた。

■ リオ映画祭に再度招待

 昨年、インディペンデントの映画とビデオの南米では最大のフェスティバルであるリオ映画祭に招待され、「パフォーマンス:あいうえおん六面相」のパフォーマンスを行なって、大きく注目されたが、今年も招待状が舞い込んだ。今年は「これはこれを撮影するカメラである」(THIS IS A CAMERA WHICH SHOOTS THIS)を映画祭の1部門「ビデオ・ウィルス」の部門に出品。このようなコンセプチュアルで「難解」な作品も受け入れるという胃袋の大きさ。しかしながら、今年は新宿のMoleでの個展のため、作品のみ出品。本人の出席は見送られらた。このビデオ・ウィルス部門は名前が示すように、映画祭の中では、もっとも先端的な部門。"THIS IS・・・"がどんな評価をとるか、作家としても気になるところ。

■ ホームページがオープン!

 久しく待たれていた作家のホームページhttp://www2.gol.com/users/iimura/
Front.html がオープンして早くも注目されている。新宿Mole での個展(97.7.14-26) に合わせて開設され、個展中にも観客に展示された。「アーティストのホームページでこれ程充実しているのは見たことがない。」などと好評。フロントページには「あいうえおん六面相」からのアニメーション、さらに「メディア」「年代」に大別して、飯村隆彦の作品歴をメディア(フィルム、ビデオ、インスタレーション/パフォーマンス)と年代(1960年代、70年代、80年代、90年代)の二つのアプローチでそれぞれ作品、写真と作品解説/批評を含めて、一目で分かるように構成されている。とくに「充実」しているのは、レビューで、ジョナス・メカス、スコット・マクドナルド、ダリル・チンなどの批評が原文(英語)と日本語訳で見られることだ。


■  愛知県美術館でインスタレーション

  名古屋にある愛知県美術館で10月21日(火)ー26日(日)の間開かれる「日米イメージの交流」展に「あいうえおん六面相」のインスタレーションが、名古屋で初めて展示される。これは、名古屋造形芸術大学と同短期大学が、ピッツバーグにあるカーネギー・メロン大学との交流計画に基づいて行なわれピッツバーグからも約10人のアーティストが来日して行なう合同展。この交流のきっかけとなったのは、飯村が5年前にカーネギー・メロン大学に招待され、自作品の上映とレクチャーを行なったことから始まった。それ以来、主に学生間の短期交換留学が行なわれ、今回初めて、教員間の交流となったもの。コンピュータ・サイエンスで有名なカーネギー・メロン大学のテクノロジー・アートと飯村の日本語のコンピュータ・アートとの顔合わせも興味を呼ぶところ



■ ニューヨークのクリスマスに個展 

ニューヨークの ディスコの中でもアバンギャルドの傾向として知る人ぞ知るニッティング・ファクトリー(直訳は、「裁縫工場」)で、クリスマス直後の97年12月27日( 土)に個展を開く。ニッティング・ファクトリーは、ジョン・ゾーンなども度々出演しているライブのニューミュージックのメッカで、若い連中の圧倒的なサポートがある。ここで、アバンギャルドの映画が音楽の合間に上映されて同じように支持されているのは、ニューヨークでも他にはないユニークなスペース。それも60年代のように音楽と映像が必ずしもミックスするのではなく、それぞれがパラレルに共存しているのが、いかにも90年代の特長といえる。プログラムは60年代から90年代まで代表的な作品を選んで組まれる予定。問い合わせは、直接ニッティング・ファクトリーへ。(Tel. 212-219-3006)

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