飯村隆彦のNewsletter No.5
■ 新宿Moleで個展開催
■ ロックフェラーセンターで「あいうえおん六面相」
■ 日本映像学会で研究発表
■ミレニユウム(ニューヨーク)ビデオ個展
■ ローマで、個展 "From <Time> to <See you> " 開催
■ ニューヨーク近美「8ミリ・レトロ」に出品
■ CD-ROM によるインスタレーション
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■ 新宿Moleで個展開催
1997年7月14日ー26日、新宿のMoleで個展を開催。「あいうえおん六 面相」の版画、CD-ROM「映像実験のために」が展示された。おなじみのビデオ「あいうえおん六面相」が、版画で、1986年出版された著作「映像実験のために」が 、 エッセイ、動画映像等を加えたCD-ROMによりコンピュータ上で上映された。本か らCD-ROMへ、メディアの変化により、新しく生まれたものは・・・19日には“CDーROMの可能 性”のレクチャーも行なった。
■ ロックフェラーセンターで「あいうえおん六面相」
ニューヨークの近代美術館のビデオキュレーターのバーバラ・ロンドンのプログラムによるロックフェラーセンターにおけるビデオアート・ウオールに「あいうえおん 六面相」がパイクやビオラの作品と並んで選ばれ、5月から上映された。場所はニュ ーヨーカーが常時通行するパブリックスペース、「あいうえお」のおかしな顔がニュ ーヨーカーにどんな反応を生み出したか。因に、このビデオ・ウオールは 三井不動産がスポンサー。
■ 日本映像学会で研究発表
5月31日ー6月2日に山形の東北芸術工科大学で行なわれた、第23回日本映像学会で、“CD-ROM「映像実験のために」とマルチ・メディア”というテーマで研究発表
を行なった。
CD-ROM「映像実験のために」での、エキスパンディド・ブックのフォーマットによる
テキスト、映像、音声、グラフィックを含むマルチ・メディアの実験、及び、このCD
-ROMをベースに横浜、ランドマークホール「メタ・メディア」展で展開された CD-RO
Mインスタレーションの報告。
■ミレニユウム(ニューヨーク)ビデオ個展
4月4日、ニューヨークのミレニュウムで70年代の代表的なビデオテープ作品
「 コンセプトテープ、1,2,3」がまとめて上映され、作家も出席して質疑に答えた。
またCD-ROM「映像実験のために」もデモが行われ、ミレニュウムでは初めてのCD-ROM
上映となった。ミレニュウムはそのこけらおとしが飯村の個展で始まったという縁の
深い場所で、すでに10回以上の個展を開催している。今回もなじみの観客を含め、日本から来たばかりで新聞を見て来たと言う学生など大
勢の観客が集まった。作品はコンセプチュアルな“難しい”ものが多いが、会場から
は時に笑い声も聞かれて、 作品のユーモアを理解する余裕があって、日本とは違う雰囲気も見られた。
■ ローマで、個展 "From <Time> to <See you> " 開催
ローマの日本文化会館及び、Centro Iniziative Multimediali, Diagonaleで個展 が開催中(3月19日ー4月18日)。"From <Time >to <See you> "のタイトルの日本 文化会館の個展は、70年代以来の代表的なフィルム/ビデオのインスタレーション 5作品に最近作のCD-ROM作品を加え、25x9mの大きな会場にクロノジカルに展示された。 また、パンテオンと同じセンターにあるCentro Iniziative Multimediali, Diagonal eではビデオ・インスタレーション「あいうえおん六面相」、「400Frames」、「T ime Pieces」、フィルム/ビデオパフォーマンスの写真展示及び、ビデオ上映が行なわれた。3月19日には、ローマ大学で、フィルム/ビデオ作品の上映・レクチャーが開催され、若い講師Buruno de Marino氏の司会により、現代美術の教授をパネラーに迎え、 上映、解説、討議が、学生を交え熱心に行なわれた。今回の展覧会は、日本文化会館 のキューレータ、波岡氏の「これからは、もっと現代美術を紹介する場にしたい」と いう強い意図により企画されたもの。また95頁のカタログも同時に発刊され、Marinoの論文をはじめ、貴重な資料が英/伊文で満載されている。インスタレーションの ビデオ機材はソニーイタリアの協力があった。今回、上映・レクチャーが開催された ローマ大学で は“ 実験美術館” がつくられ、活発に活動が行なわれ、飯村隆彦の ビデオプログラムが研究用として寄贈された。
■ ニューヨーク近美「8ミリ・レトロ」に出品
ニューヨークの近代美術館MOMAが5年がかりで収集、修復、上映する8ミリ 映画の歴史的な回顧展に選ばれた。これは、MOMAの映画部門が、8ミリ映画の 歴史的重要性を認識して、埋もれた作品を発掘するもので、映画のアーケオロジー (考古学)といえる野心的企画。飯村隆彦の「AI(LOVE)」(1962年)と「くず(JUNK)」 (1962年)の2作品が日本から唯一の作品として上映される。上映は1997年の1年がかりで、毎週上映の予定だが、飯村作品の上映日程は未定。
■ CD-ROM によるインスタレーション
「メタ・メディア展」1月27日(月)-31日(金)、ランドマークホール (横浜)で「メタ・メディア」展を開催。新しく出版したCD-ROM「映像実験のために」によるインスタレーション を行なった。会場には、数十台のパソコンとディスプレイを設置して、観客が インタラクティブに飯村隆彦のメディア 作品にアプローチ。同時にインター ネットを通して、体験することが出来る。このCD-ROM「映像実験のために」 は絶版になっていた飯村隆彦の著作「映像実験のために」(青土社、1986年刊) に新しく増補を加えて、電子出版されるもの。フィルム、ビデオ、 インスタレーション、パフォーマンス などのメディア作品をコンピュータ上 で、映像、言語、概念芸術等に関するテキストと同時に映像として見る/読む ことが同じ次元で体験できる。まさに、メタ・メディア。
「ラフで廃虚の映画」祭、バンクーバ
バンクーバの@Galleryにおける"Rough and Ruined Film Festival"(ラフで廃虚の映画祭)という特異な名前の映画祭が7月24日と25日に開催され、作家も招待されて、「あいうえおん六面相」が上映される。この映画祭はインディペンデントの映画の中でも異端の映画ばかりを集めるもので、他の映画祭では拒否された作品も多く、文字通り見捨てられた映画、「にせ」(フェーク)の作品、「崩壊した美学」の総特集。7月18、19日にまず アムステルダムでスタートを切り、次にバンクーバ、最後にアメリカのミネアポリス(9月)とツアー。とくにフェスティバルには「Made in Japan」のセクションがあるが、この映画祭に招かれている日本作品は飯村作品のみ。「あいうえおん」の「フェークの美学」が認められたということか。また作品は カナダの ITV でも放映される。なおバンクーバのあと、隣のアルバータ州のバンフにあるカナダの先端的なメディアの研究所として名高いバンフ・センターによるDEEP-WEBいうインターネットのプロジェクトに参加する。これはバンフ・センターんの外部への呼びかけに応えるもので、インター・ネット上に自分のキャリアを公開して、他の参加者と交換するというプロジェクト。
リオ映画祭に再度招待
昨年、インディペンデントの映画とビデオの南米では最大のフェスティバルであるリオ映画祭に招待され、「パフォーマンス:あいうえおん六面相」のパフォーマンスを行って、大きく注目されたが、今年も招待状が舞い込んだ。今年は「これはこれを撮影するカメラである」(THIS IS A CAMERA WHICH SHOOTS THIS)を映画祭の1部門「ビデオ・ウィルス」の部門に出品。このようなコンセプチュアルで「難解」な作品も受け入れるという懐の大きさに作家は逆に感心している。しかしながら、今年は新宿のMoleでの個展のため、作品のみで、本人の出席は見送られらた。このビデオ・ウィルス部門は名前が示すように、映画祭の中では、もっとも先端的な部門。"THIS IS・・・"がどんな評価をとるか、作家としても気になるところ。