2001年1月
■バイバイ20C. 映画の世紀 アイ・シネマテーク 8ミリパフォーマンス
■MoMA、ニューヨークで個展
■ISEA、パリでCD-ROM発表
■Netmage、ボローニャでパフォーマンス
■メキシコ市で個展
■「ヨーコ・オノ - 人と作品」出版
■スペインの美術館で上映/講演
■映画「間」- 芸大美術館で展示
■マルチメディア議論 - 東京経済大学、京都精華大学
■ピーター・ダゴスティーノと共同研究
■THAW00祭(アイオワ市)で受賞
■アジア・太平洋映画/ビデオ祭でCD-ROM
■デジタルd>art00祭 展示- シドニー
■竜安寺映画に哲学者の評
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■バイバイ20C. 映画の世紀 アイ・シネマテーク 8ミリパフォーマンス
20世紀の終わり、映画の世紀であった今世紀のお別れに、忘れられた8ミリ、ダブル8ミリのパフォーマンスがアイ・シネマテークvol.11として12月22日(金)7pmから、Noctovision(文京区湯島3-35-6大久保ビル3F、地下鉄千代田線湯島下車徒歩1分、http://www.edit.ne.jp/~suzuki/myu/)で開かれる。1962年、飯村が初めて手にした メディアは ダブル8ミリのカメラで、16ミリフィルムを半分づつ往復して撮影したことからダブル8ミリと呼ばれた。すでに死に絶えたこのダブル8ミリを蘇生する試みとして、8ミリ映写機のスピード変換により行われるライブ・コンサートが、1962年の内科画廊での8ミリコンサートから40年ぶりに再演される。上映フィルムは飯村のコレクションから、ブルース・コナー、スタン・ブラッケージ、そして自身のダブル8ミリ・フィルム。会費は終演後のバイバイ20C.パーティー参加費込みで2000円(30人限り)。予約は、Fax(03)3314-0138かe-mail:iimura@gol.com。
21世紀の最初の飯村の個展がニューヨークの近代美術館(MoMA)で、3月19日(月)に開かれる。これは1975年に初めて同美術館で個展を行って以来25年ぶり、「シネ・プローブ」という映画作家の個展として、作家も出席して質疑に答えるシリーズのひとつ。当日は、フィルム・パフォーマンスも含め、フィルム・プログラムで、パフォーマンスは2000年3月にニューヨークのRBMTと5月に東京のラ・カメラで好評だった「サークル・アンド・スクエア」の再演。
コンピュータやインターネットなどのアーティスト、批評家、学者が集まる国際電子芸術会議(ISEA)がパリで、2000年12月7日〜10日に開かれ、CD-ROM"Observer/Observed"が展示部門で選ばれ、Le Forum des Imagesで常時展示される。ISEAは1994年(ヘルシンキ)にも招待され、「あいうえおん六面相」のビデオ・インスタレーションが展示されたことがある。今回のCD-ROMは、テキスト、ビデオ、アニメーション、グラフィックスを含むマルチメディア作品で「ビデオの記号学」を理論とともに映像で実証した作品。尚、ISEAには日本から沖啓介、草原真知子さんらも発表する。
ヨーロッパの映画祭が伝統的な劇映画の祭典から、議論を含めてマルチメディアのフェスティバルに変換しつつある。イタリアにおけるその代表が、フィルム/ビデオ/CD-ROM/インターネットを含むボローニャのNetmage(11月23日-12月3日)。フェスティバルを文字どおり、NetとImageの接点として位置づける。飯村の「Observer/Observed」のCD-ROMパフォーマンスが最終日12月3日に行われる。
2001年4月2日〜8日までメキシコ市のLaboratorio Arte Alamedaでメキシコ初の個展を開く予定。この組織はメキシコでは実験的なメディア・センターとして知られ、飯村のメディア・アートを高く評価しての個展の開催となった。メキシコはルイス・ブニュエルなどをはじめとする前衛映画の伝統があるが、その面での日本との交流はほとんどない。それだけに飯村のアバンギャルド・アートがどのように受けとめられるか興味深い。
オノ・ヨーコのニューヨーク・ジャパン・ソサエティーでの個展、埼玉でのジョン・レノン美術館の開館などを機にオノ・ヨーコへの関心が高い。1985年に初版が出た「Yoko Ono - 人と作品」(文化出版局 - 文庫版、講談社)が、新しく、90年代のヨーコの目覚ましいアート活動にてついての書き下しを加えて、水声社より出版される。また、NHKの日曜美術館「オノ・ヨーコ」(12月10日放映)には飯村もインタビューに応えた。
9月中を南スペインのアンダルシア地方、モハカにあるバラパライソ財団のアーティスト・レジデンシィで過ごしてから、マドリッドのレイナ・ソフィア国立近代美術館(9月22日)とバルセロナの市立現代美術館(9月29日)で、それぞれビデオとCD-ROMを含めた上映と講演を行った。スペインでの上映は初めてながら、熱心な観客で会場は一杯になった。
ニューヨーク・メトロポリタン美術館の委嘱で制作された映画「間:竜安寺の石庭の時/空間」(1989年)が磯崎新(同映画テキスト担当)が企画した「間 - 20年後の帰還」展(東京芸術大学大学美術館)で、10月3日〜11月26日まで展示/上映された。同展は朝日新聞学芸欄でも紹介批評され、同映画についても言及された。(10月13日、11月18日、共に夕刊)
6月(2000年)の日本映像学会で、マルチメディア・アートについて発表したことから、大学でも議論が盛んだ。東京の東京経済大学の粉川哲夫教授のクラスで、10月19日、飯村はビデオの「あいうえおん六面相」やそのCD-ROM版、またCD-ROM「Observer/Observed」などを見せながら、学生と活発な議論を行った。一方、西の京都精華大学の伊奈新祐教授の招きで11月29日(水)に同じ、CD-ROM作品を上映して講演した。マルチメディアを単に産業的な視点からではなく、アートの視点から議論が大学でも起っている。双方ともテキストには「電子出版とマルチメディア・アート」(名古屋造形芸術大学紀要、第4号、1998年、第6号、2000年合冊版)を用いた。(このテキストご希望の方は、送料200円を同封して飯村隆彦映像研究所へお申し込み下さい。)
フィラデルフィアのテンプル大学の教授でメディア・アーティストでもあるピーター・ダゴスティーノ教授との共同研究「East/West時-空間とワールド・ワイド・ウェッブ」が国際交流基金の助成もあって、名古屋造形芸術大学で6-7月(2000年)にわたって行われた。そして、その発表が名古屋青少年文化センター、ビデオルームで2人共同して7月10日(月)に開かれた。このつづきは2001年3月26日〜27日、テンプル大学で飯村が講演する予定。
アメリカ、アイオワ州のアイオア市で行われたTHAW00映画/ビデオ/デジタルメディア祭(4月13ー15日)は、実験的な作品を推すことで、知られているが、CD-ROM「Observer/Observed」が、オーナブル・メンション賞(名誉言及賞)を受賞した。こういう地方の小さなフェスティバルでも、一見、「むずかしい」と見られる作品にも賞を与えるところは、アメリカのデジタル文化の広がりを示している。
ロサンジェルスのアジア太平洋映画/ビデオ祭(2000年、5月18-25日)はアメリカばかりではなく、太平洋諸国からの参加でにぎわうオルタナティブなフェスティバル。飯村のCD-ROM「インタラクティブ:あいうえおん六面相」のために特別にフェスティバルの三会場にコンピュータを設置して上映した。1994年のフェスティバルに、同じ「あいうえおん六面相」のビデオを出品したが、主催者はカタログに「1チャンネルビデオをマルチメディアのCD-ROMに再目的化して、新しい観客をひきつけた」と紹介した。
デジタル専門の映画/ビデオ/CD-ROM/ウェッブアートフェスティバルとして、シドニーで頭角をあらわしたのが、d>art00フェスティバル。シドニー映画祭の一環として、そのカッティング・エッジのテクノロジーを代表するフェスティバルで、CD-ROM「インタラクティブ:あいうえおん六面相」が展示された。大規模な劇映画の国際映画祭と同時にメディアの先端にも眼を配った展示/上映を組織するなど、日本の国際映画祭には欠けている側面だ。
日本では「ジョン・ケージ」の著者で知られている哲学者、ダニエル・シャルル(ジュ・ドウ・ポム国立ギャラリーの飯村個展カタログにも巻頭論文を書いた)が、飯村の「間:竜安寺石庭の時/空間」についての批評をフランスの美学雑誌「La
Revue dユesth師ique」に発表する。発刊以前の原稿が送られてきたが、内容は極めて「難解」であるが、その一節、「『間:時/空間』を中心として、題されたこの映画に文字どおりの正当性がある。なぜなら竜安寺に関して、その本質が、まず、フィルム・ストリップ上にあって、京都には位置していないと考えるなら、場所は二次的な位置としてのみ存在できるからだ」と書く。この批評、パリのシネマテークの雑誌にも飯村の作品ノートと共に2001年春発表される予定。