No.6 2003.12

12月10日から神戸アートビレッジセンターで映像制作40周年、飯村隆彦個展「見ること/聞くこと/話すこと」が開催されますので、ご案内申し上げます。
お近くの方は是非、ご来訪下さい。
今年最後のI's Media Art News になりますが、来年もご支援の程よろしくお願い致します。
また、ホームページをリニュアルしましたので、こちらもご覧下さい。

飯村隆彦 e-mail:iimura@gol.com
http://www2.gol.com/users/iimura/homej.html


■神戸アートビレッジセンターで個展「見ること/聞くこと/話すこと」

飯村隆彦の映像制作40周年を記念して、神戸の新開地にある神戸アートビレッジセンター(tel.078-512-5500)で、関西では久しぶりの個展「見ること/聞くこと/話すこと」が12月10日―18日の間、開催されます。今回の個展のために制作した4枚のDVDにより、周囲4面に投影するインスタレーションを中心にビデオ作品、パフォーマンス、シンポジュウムと多彩な内容で飯村アートを展開します。
このDVDはフランスの哲学者、ジャック・デリダの重要な初期の著書、「声と現象」からひとつの文の引用とその変化形から制作されたもので、ニューヨーク州立大学のアリソン教授により、「デリダの作品から可能なもっとも強力な発言」として、また、フランスの哲学者、ダニエル・シャルルは、「私はDVDの
<見ること/聞くこと/話すこと>を非常に愉しんだが、これは真実、傑作だと思う」と高く評価しました。また淺沼圭司(倉敷芸術科学大学教授)は<「トートロジー」「反復」「重ね合わせ」あるいは「切断」「断片」、これらは飯村のテクストに特徴的な技法のように思われるのだが、そのいずれもなんらかの原理にもとづいた、一定の方位をもつ「展開(進展)」の否定を目的とする技法といえるのではないだろうか>と評しています。
12月13日(土)に行うパフォーマンス「見ること/聞くこと/話すこと」(2003)は、これもプレミア公演となるもので、4面のインスタレーションに作者が介入して行われます。
さらにゲストに森下明彦氏(神戸芸術工科大学)と伊奈新祐氏(京都精華大学)を迎えてシンポジュウム「見ること/聞くこと/話すこと」がひきつづいて行なわれます。
また、今回の個展カタログは、CD-ROMで発行され、淺沼圭司、デヴィド・B・アリソン、スラフコ・カチュンコ(瀧健太郎/田坂博子共訳)、飯村隆彦などが寄稿し、出品作品の短い作品断片も動画で見ることが出来ます。ご希望の方はお問い合わせ下さい。(e-mail:iimura@gol.com)(日本芸術文化振興基金助成)
http://www.kavc.or.jp
http://www2.gol.com/users/iimura/KAVCj.html

■スウェーデンでCD-ROM/レクチャー「ビデオの記号学」

スウェーデン南部の伝統あるルント大学と芸術アカデミーで飯村のCD-ROM「ビデオの記号学」をテーマに、CD-ROM「オブザーバー/オブザーブド」を上映するレクチャー/シンポジュウムが12月1―4日の間、開催されます。アメリカのMITから出版されている芸術と科学の学術雑誌「レオナルド」のレビューにこのCD-ROMを取り上げたのがルント大学のフレッド・アンダ−ソン教授。「飯村のビデオの記号学は、現代世界における<セルフ・アイデンティティ>と<視覚的テクノロジー>の間の関係の問題を提起する」と評しました。スウェーデンにおけるメディア記号学への関心の高さを示して、シンポジュウムにおける飯村を交えての議論が期待できます。(スカンジナビア-日本・笹川財団助成)
http://www.lu.se/lu/engindex.html


■新作ビデオ「I am (Not) Seen」国際映画祭で好評

DVD「見ること/聞くこと/話すこと」のオープニングとして作られた「I am (Not) Seen」(2002、5分)がスイス・バーゼルのニュー・メディア・フェスティバル、ビイパ−国際ニューメディア祭をはじめ、ニューヨークExpo短編映画祭、アジア・アメリカ国際映画祭(ニューヨーク)、ハリスバーグ(アメリカ)のアート・フィルム・フェスティバル、ハンブルグ短編映画祭、映像対自然映画祭(マルセーユ)、香港ビデオタージュ・フェスティバル、シネマ・ディフェラン映画祭(パリ)、クレモン・フェラン国際映画祭(フランス)などでも上映(及び上映予定)されました。なお、このビデオはユーフォニック社の岩島民和、市川哲也、佐藤充さんらが制作協力しています。 http://www.viper.ch

■土方舞踏/シネ・ダンス再映

川崎にある岡本太郎美術館(Tel.044-900-9898)で開かれている「肉体のシュルレアリスム・土方巽」展で飯村が60年代の前半に制作したシネダンス「あんま」と「バラ色ダンス」が上映され、講演も行ないます。10月19日(日)、12月21日(日、作家トークも)、各3:30pmよりで、作品は土方舞踏にカメラをもって参加、舞台上で単なる記録以上に映画のコレオグラフィーとして制作されました。フィルムはオリジナル・バージョン(1963)に新たに未使用のフィルムを加えた完成版(2001)で、そのプレミア上映です。
http://www.taromuseum.jp/

■テンプル大学でゲスト・レクチャー

東京にも東京校のあるフィラデルフィアのテンプル大学が2004年1―3月、「飯村のメディア・アート」をテーマにして本人をゲスト・レクチャラーに連続講議を行います。実験映画、ビデオ・アート、マルチメディア・アートと1960年以来、40年以上にわたる飯村のメディアアートの歴史を作品とともに辿ります。同大学のピーター・ダゴスティーノ教授とは数年来、East/Westプロジェクトを実行して、その成果の発表ともなります。(東京財団助成)
http://www.tkfd.or.jp/division/fellowship/activity/005.shtml
http://www.temple.edu/newtechlab/e-w/ew_mainmenu.html

■NYアンソロジー・フィルム・アーカイブスで個展

ジョナス・メカスがディレクターとして、実験映画、ビデオアート、歴史的な前衛映画など、優れたプログラムで知られるNYアンソロジー・フィルム・アーカイブスで飯村のビデオアートと実験映画が2004年3月6―7日(土、日)に開かれます。実験映画は特に、メカスの希望で、飯村映画のなかでももっともコンセプチャルとされる"Models, Reel 1-2 (1972)", ビデオは最近作 "I am (Not) Seen"を含め、アイデンティティに関する10本を上映します。
http://www.anthologyfilmarchives.org

■ビデオ・インスターレーション、カチュンコ博士が評価

ドイツの国立メディア技術センター(ZKM)から近く発刊されるスラフコ・カチュンコ博士による閉回路ビデオアート作品についての論文"Closed Circuit Videoinstallations. On the history and theory of media art"(クローズド・サーキット・ビデオ・インスタレーション:メディア芸術の理論とその歴史について)において飯村の1970年代から現在に至るビデオ・インスタレーションが高く評価されています。カチュンコ博士はその中で、飯村のインスタレーションについて「(メディアの)ルールを一元的に批判するのではなく、両義的で、ポリフォニック(多声的)かつ記号論的効力をもつ点において傑出している。」( 瀧健太郎/田坂博子共訳) なお、この訳文は神戸アートビレッジセンターの個展に際して発刊されるCD-ROMのカタログに掲載されています。(上記参照)

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