No.4 2003/6


I's Media Art Newsの第4号をお届けします。

飯村隆彦



■DVD「Seeing/Hearing/Speaking」展 
 

 
 東京での久しぶりのギャラリーにおける飯村隆彦の個展を神田のギャラリー・サージ(tel.03-3861-2581、千代田区岩本町2-7-13渡辺ビル1F、最寄り駅JR神田駅、都営新宿線岩本町駅、営団日比谷線小伝馬町駅、地図は下記URLを参照下さい)で、DVDによる「Seeing/Hearing/Speaking」の完成とアメリカでの受賞(後述参照*)を機に6月16日(月)〜6月28日(土)の期間に開きます。
 このDVDは、1970年代半ばより四半世紀をかけて制作したデリダの言葉を引用したビデオのシリーズに新作を加えて制作したものです。さらに通常のDVDではあまり見られないインタラクティブな機能もあり、ビデオ、テキスト、グラフィックス、そしてアニメーションまで含めたユーフォニック社との共同制作によるマルチメディアの作品です。
 デリダが「現象学的な作用の本質」とよぶ「私は話すと同時に私自身を聞く」という言葉を、文字どおりビデオによって発声しながら様々な状況で創作した作品です。さらに同じテーマで創作した過去の3作品も含めて、DVDに収録しました。
 ギャラリー・サージでは、同時にフィルムのスコアをガラス上にプリントした「400Frames」(1976)も展示されます。
「400 Frames」は400字詰めの原稿用紙に線と数字などを書いたフィルムのためのスコアをガラスにプリントした作品。原稿用紙の1字が、フィルムの1コマに相当します。(これは原稿用紙のマス目が、フィルムのコマにふさわしいことを発見して出来た作品です。)
 また、トーク&シンポジウム「飯村隆彦のメディア・アート」が6月20日(金)19:00pmより同画廊で、パネリストにクリストフ・シャルル(アーティスト、武蔵野美術大学助教授)と波多野哲朗(日本大学大学院教授)の両氏を迎えて行なわれます。会費500円。

ギャラリーサージ http://www.catnet.ne.jp/surge/surge.html

■ビデオ・レトロスペクティブ:「33年のタイム・ラプス」

 1970年のビデオの処女作「A Chair」、「Blinking」から最近作「Seeing/Hearing/Speaking」(2002年)まで、33年間のビデオ作品から選んで上映する「33年のタイム・ラプス」が渋谷のファイドロス・カフェ(tel.03-5485-3650、渋谷区渋谷1-9-8 宮益坂センスビル9F、渋谷駅徒歩5分、地図は下記URLを参照下さい)で6月22日(日)20:00pmから開かれます(fee:1200yen with 1 drink)。ビデオ・アートが産声を上げたばかりの1970年に、ニューヨークから帰った飯村がまず手にしたのが、それまで使っていた16ミリカメラに代わって市場に出始めたハーフ・インチのポータパックのビデオ・カメラとVTRでした。
 それから33年間、様々な実験的映像を試みながらビデオにおけるミニマルからコンセプチュアルにわたる、視覚と言葉の関係の諸様相を追求してきました。
 今回のプログラムは2002年にニューヨークのビデオ・シアター・JARAFでのプログラムに最新作「Seeing/ Hearing/ Speaking」を加えての、33年間のビデオの足跡をわずか1時間あまりに「圧縮」したプログラムです。

ファイドロス・カフェ http://www.phaidros-cafe.com

■ ビデオ「Seeing/Hearing/Speaking」受賞*

 DVD「Seeing/Hearing/Speaking」に収録された新作のビデオ「Seeing/Hearing/Speaking」(2002年)が、ニュー・アート・プログラム・ビデオ祭(アメリカ)の実験映像部門で受賞 (Honorable Mention)しました。このビデオ祭は実験映像に高い評価を与えることで知られるアメリカでも数少ないビデオ祭で、審査員にニューヨーク近代美術館とグッゲンハイム美術館のキュレターが参加しています。

■グラビア「Seeing/Hearing/Speaking」

 DVD「Seeing/Hearing/Speaking」の6頁にわたる写真による紹介が、東京工芸大学の紀要「芸術世界」第9号(2003年)に掲載されました。写真は、DVDのメニュー、サブ・メニュー、眼、耳、顔などの代表的な画面が、ス−パ−文字と共に一頁大に印刷されています。この別刷り(6頁)をご希望の方は、160円分の切手を同封して飯村隆彦映像研究所(住所:〒166-0003 東京都杉並区高円寺南4-35-7)へ申し込んで下さい。2週間以内にお送りします。


■ミレニアム(N.Y.)で4人展 

 日本の若手の映像作家とともに、ニューヨークの実験映画シアター、ミレニアムで6月7日(土)に新作のビデオを上映します。作品はDVD「Seeing/Hearing/Speaking」に収録されたビデオ3作品で「Seeing/Heaing/Speaking」(2002)、「TalKing in New York」(1981)、「Talking to Myself at P.S.1」(1985)。同時に上映する作家は、狩野志歩、泰良知恵子、中岡リエでミレニアムでは初上映。これらの作家のニュ−ヨ−ク訪問を機に生まれたプログラムです。

■竹山(韓国)のアート・フェスティバルに参加  

 ソウルの近郊、竹山で開かれる竹山アート・フェスティバルに招かれて6月27日―29日の間、ビデオ・パフォーマンス「AIUEONN Six Features」(1993-2003)の他、「Moments at the Rock」(1985)「Excerpts From "Ayersrock"」(1985)などを上映します。また、「土方巽/飯村隆彦・シネ・ダンス」のフィルム/トーク・ショウも行われ、1960年代土方巽の舞踏公演を撮影したフィルム「あんま」(1963年)と「バラ色ダンス」(1965年)を上映して、話します。

■マルセイユ実験ビデオ祭上映 

 新作の「I am (Not) Seen」(2003)(DVD「Seeing/Heaing/Speaking」のオープニングが作品として独立したビデオ)が、マルセイユの国際実験ビデオ祭(6月30日- 7月4日)で入選して、7月1日と7月4日の両日に上映されます。この作品は、最近の飯村のビデオの中では大変テンポの早いもので「Seeing/Hearing/Speaking」のビデオがほとんどコマ単位で編集され、途中「I am Seen」「I am not Seen」などのスーパー文字が瞬間的に現われます。編集は佐藤充と飯村隆彦、音楽は佐藤充。同作品は他にも、ニューヨークで6月20日-29日に開かれるアジアン・アメリカン国際映画祭(アジア・ソサエティ)でも上映されます。

■Kala財団でのレジデンシイ  

 カリフォルニアのバークレイにあるKala財団のアーティスト・イン・レジデンシイの招待で、今年夏、8月の1ヶ月を新作のビデオ編集とDVD制作に費やす予定です。Kala財団は版画のワークショップから、ビデオ/コンピュータのワークショップまで、施設をアーティストに開放して、自由に制作できる環境をもっています。ここで十数年来撮りためしてきた未発表のビデオ断片の集積を持参して、そこから作品を考えるというこれまでの最初にコンセプトありの方法とは全く異なったアプローチを試みます。バークレイでのレジデンシイは自由な制作のための場を提供してくれるでしょう。

■パリ/ベルリン国際映画/ビデオ祭でも  

 パリ・ベルリンの二都市を結んで開かれるパリ・ベルリン国際映画/ビデオ祭に「Seeing/Hearing/Speaking」のビデオが選ばれ、既に今年4月、パリ市内数カ所で上映されました。さらに今年10月始めには、ベルリンでも上映される予定で、これには作者も国際交流基金の助成で参加する予定です。この映画/ビデオ祭はヨーロッパの若い、新しい傾向が特集されることから、注目を集めているフェスティバルです。そこで飯村作品がどのように評価されるか、気になるところです。なお、同作品は既に、フランスのマノスク・インスタント・ビデオ祭(2002年11月7日-16日)とハンガリーのスゾルノクの国際芸術映画祭(2002年10月1-6日)でも上映されました。


* 飯村の最近の活動
* 最近書かれた飯村作品へのレビュー
* 飯村隆彦のビデオ、CD-ROM、DVD、カタログは、東京都写真美術館、東京都現代美術館、東京オペラシティーアートギャラリー、原美術館のミュージアムショップ、 NADiff(原宿)、Phaidros CAFE(渋谷)、Media Shop(京都)などで購入できます。
販売リストをご希望の方は、iimura@gol.com宛にご連絡下さい。
また、こちらでもご覧いただけます。

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