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I's Media Art News、第14号をお届けします。
飯村隆彦
*メールでの配信をご希望の方はiimura@gol.comまでご連絡下さい。
■ザグレブ国際実験映画際
9月21日ー25日、クロアチアのザグレブで開催された国際実験映画際に飯村は審査員の一人として、招待され、審査と同時に本人のプログラムも上映、講演も行いました。この実験映画祭はヨーロッパでも数少ない実験映画(ビデオも含む)専門の映画祭で、ジャンル混交の映画祭とは異なるユニークな映画祭で、その質の高さを誇っています。審査員がそれぞれグランプリを1作品ずつ選ぶ、審査員の個性を尊重したもの。飯村が選んだグランプリは、ピーター・ミラー(アメリカ)の映写機をカメラとして使って映画館の何も映っていないスクリーンと開けられるカーテンを撮影した作品。スクリーンのタブラ・ラサをユーモアをもって作っています。飯村の作品は70年代初期に制作した時間をテーマにした作品とデリダを引用した16ミリ映画。映画における時間と構造について講演しました。 www.25fps.hr
■マドリッド、ビデオアート展
マドリッドの国立レイナー・ソフィア王妃美術館で初期のビデオアートを収集して開く国際ビデオアート展に飯村の初期のインスタレーション「FACE/INGS」(1974)が選ばれて、11月7日から展示されます。
この作品は、2台のビデオカメラがモニターとともに対となって、ライブとして展示されるもので、1974年にパリの近代美術館で、当時まだ生まれたばかりのビデオアートのインスタレーションとして、いち早く展示されました。まだインスタレーションがアート用語として定着されていない時に、そのコンセプトを実現したもので、パリジャンにビデオについての好奇心をもたせました。ドミニク・ノゲーズの「実験映画へのオマージュ」(ポンピドー・センター刊)に載った写真には怪訝な表情をして作品に参加した観客の顔が映っています。すでに、当時の不細工な角ばったカメラもモニターも存在しない現在、最新の液晶のフラットスクリー
ンと小型カメラにより、収集・展示されるもので、ものにこだわ
らず、コンセプトでコレクションする姿勢が明らかです。
また、マドリッドでは、現代映画基金美術館(MOCC)から二人の国際的に活躍する映画作家に与えられる助成金(4000ユーロ)の一人に選ばれました。マドリッドのあと、バルセロナでは10年ぶりに、バルセロナ現代文化センター(CCCB)で実験映画の上映が11月19日に開催されます。
■DVD、ニューヨーク・ビデオ
ニューヨークに関係する2本のDVDが飯村隆彦映像研究所から自主刊行されました。1本「Experiments in New York」(1967-84)で、1960年代にニューヨークで撮影したスケッチなどの「ニューヨーク・シーン」、この中にはジャック・スミスの悪名高い「燃え上がる生物」を背後にしたポートレートを含んでいます。2作目はニューヨーク冬の風物詩、マンホールから湧き上がる白い煙を対象に、多様なけむりの形を10箇所で撮影したカットを、5秒ごとに順ぐりに編集した構造ビデオで、同じ場所でも毎回違った形をした煙の運動が見えます。題して「ニューヨーク・ホット・スプリングス」(ニューヨーク温泉)、3作目はデリダの言葉をニューヨークの町中でその日本語とともに繰り返す「トーキング・イン・ニューヨーク」。また、もう一つは1部がレザーディスクとして80年代に出版されたことのある「ニューヨーク・デイ・アンド・ナイト」(1989)で、音楽は小杉武久。久しぶりの再刊です。ともに、ニューヨークの近代美術館の前にあるドンネル・ライブラリーの要請で発刊され、収集されました。
お問い合わせは飯村のHPで価格(個人およびライブラリー価格)を確認して、メールで同研究所へ。
mailto:iimura@gol.com
■デンバー国際実験映画祭で「間:竜安寺...」
スタン・ブラッケージがほぼ生涯をこの地を過ごしたコロラドのデンバーで(私も60年代に一度,彼を訪れ撮影したことがあり、「Filmmakers」にその姿をとどめています)、国際実験映画祭が10月11−15日に開かれました。公募は、一切制作年を問わず、「間:竜安寺石庭の時/空間」(1989)を応募したら、運よく入選しました。選ばれた作品を見ると、1960年代から今日まで、50年以上をカバーして、実験映画の厚さを見るようでもあり、「時代を超えた」実験映画を語っているようでもあります。特集にオランダのフランツ・ツバルテスというアメリカでほとんど評価されなかった作家の特集をプログラムし、時代に組しない姿勢があります。
■川崎市民ミュージアムで「椅子」(1970)
日本のビデオアートの歴史で欠かすことの出来ないSCANのコレクションから、12のキーワードで選んだという14のプログラム(構成:田坂博子/プロセス・アート)が、11月11日から26日まで同時開催の松本俊夫展とともに、川崎市民ミュージアム(044-754-4500)で上映されます。最初の作品で、全プログラムの中でも最も古い飯村の「椅子」(1970)が上映されます(11月11−12日)。これは佐藤慶次郎の音楽によるビデオの処女作で、音と微分的にシンクロする映像(その逆ではなく)作品で、当時として大変実験的な技術を使っています。
■レクチャー/パフォーマンス「見ること/聞くことの構造」
久しぶりの再演となったレクチャー/パフォーマンス、1983年初演の「見ること/聞くことの構造」(北海道美術館)が、去る7月24日、GOLDENSHIT (服部かつゆき、新村雄亮)が企画したシリーズのひとつとして、彼らの協力のもと上演されました。(東京、out lounge) 飯村が観客に背をむけ自分の影が映るスクリーンに、一人で主演と観客2役をかねて「映画を見る/聞くことの構造について」語り、そこにGOLDENSHITの二人が飯村の前後に立って、語ることで、今回はより重層した構造になりました。最後には、参加を求めても微動だにしない観客全員にカメラが向けられ、彼らがスクリーンに映り、主役になりました。この記録ビデオは、近く完成予定です。
■DVD、飯村隆彦のDVDアート発刊
最近数年間に発刊したDVD、12本の見せ場ばかり60秒ずつ収録された作品集が、飯村隆彦映像研究所から発刊されました。カタログとしても見れるこのDVDを、特価で飯村ファンにもお届けします。
収録DVDは「60年代の実験」、「シネダンス・土方巽の舞踏」、「フィルムメーカーズ」、「ニューヨークにおける実験」、「初期のコンセプチュアル・ビデオ 」、「ヨーコ・オノ:これはここにない」、「オブザーバ/オブザーブド とその他のビデオ記号学の作品」、 「見ること/聞くこと/話すこと」、「あいうえおん六面相」、「ジョン・ケージ、ジェームス・ジョイスをパフォーム」、「ニューヨークの昼と夜- 光と闇の旅」、「モネの睡蓮の庭の方へ」、「間:日本のコンセプト 」、「フルクサス・リプレイド」。
希望者はメールでお問い合わせののち、3,000円(送料込み)を指定の銀行に振込み確認後、2−3週間内に発送されます。遅れる場合もありますので、ご了承願います。
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