No.11 2005.10

I's Media Art News、第11号をお届けします。

飯村隆彦 e-mail:iimura@gol.com

■ 「Timing 1,2,3」ICC
フィルム「モデルズ」(1972年)の中の1作品である「Timig 1,2,3」が、日本では初めて、インスタレーションとしてICC(NTTインターコミュニケーション・センター)の「Possible Futures」展(10月21日- 12月25日)で展示されます。
この作品は、かつてニューヨークのアップル画廊(1972年)で展示されたことがあり、30年以上を経て再現されます。時間をテーマとした一連の「モデルズ」リール1から、黒画面に横に白い線が横切るだけの映像の3本の大きなループ上映と、壁に同じフィルムが、やはり3本平行してはられて、時/空間の二つの様相が同時に経験できます。また、インスタレーションの隣には、二つのスクリーンに飯村の「60年代の実験映画」と「シャッター」のDVDが常時上映されます。
日本のメディア・アートの歴史を展望する「Possible Futures」展の出品作品の中で、「タイミング1,2,3」は、唯一のフィルムを素材として使った作品です。
http://www.ntticc.or.jp

■ウィーンでレジデンシィ
東京/ウィーンのKuspace(代表浦田千夏子)が主催するウィーンでのアーティスト・レジデンシィの一環で、10月15日から1ヶ月間、ウィーンに滞在して、作品を発表します。当地の画廊、トランスフォームでのビデオインスタレーション/パフォーマンス「AS I SEE YOU YOU SEE ME」(11月1〜6日)、映像スペース・シカネデルでの ビデオアートの個展(11月3日)、またパフォーマンス・スペース、エクストリテリアルでのシネマダンス、土方舞踏フィルムの上映、さらに、ザグレブでの「60年代の実験映画」と「間」の映画個展(11月7日)も行ないます。なかでも、ウィーンで「初期コンセプチュアル・ビデオ」の1篇、「視覚的論理(と非論理)」(1977年)が、当時(1970年代)にヴィトゲンシュタインのピクチャー・セオリーの影響を受けて制作したことから、当地で上映して反応を聞くことが楽しみです。
http://www.kuspace.org

■パリのアートフェアFIACに出品
パリの現代美術のアート・フェアとして名高いFIAC (10月6-16日)にパリのフィルム・ギャラリーが、実験映画作家のモーリス・ルメートル、ジョナス・メカスと並んで飯村の「Ai (Love)」(1962)を出品して、物見高い観客の的になりました。今年9月、パリのマレー地区に出来たばかりのThe Film Galleryは、実験映画の配給/販売を行なうRe:Voirが運営する画廊で、現代アートとしての実験映画を売り出しています。飯村の
「Ai」は、フィルム・リールを「愛」の文字のカリグラフィを描いた和紙に包まれ、さらにフィルム缶を風呂敷に包むという懲りよう。尚、「Ai」はパリのポンピドウセンターのコレクションに所蔵されている数少ない日本の実験映画のひとつだけに(9月28日に同センターの収蔵作品展で上映)少なくない反響がありました。
http://www.re-voir.com/gallery

■ジョン・レノン展で展示
パリのパンタンにある音楽美術館(CITE DE LA MUSIQUE)で9ヶ月間も開かれるジョン・レノン展(10月19日- 2006年6月25日)に、飯村が制作して、ゲスト・アーティストにジョン・レノンも参加した映画「ヨーコ・オノ:これはここにはない」が期間中毎日上映されます。ヨーコの同名の美術展のドキュメンタリーながら、2人が画面に常に現われ、ヨーコのスピーチ(英語)が画面とは乖離して展開する個人映画の色彩の強いものになっています。(なお、ヨーコの日本語のインタビューの入る日本語版も別にあります。共にDVDで、英語版は飯村隆彦映像研究所より、日本語版はam K.Y. から配給予定です。)
http://www.takaiimura.com
http://www.amky.org