「透視体」


□ FLOWERS 1968-69年、11分、color、音楽:足立智美(2007),出演:草間弥生(Body Painting) with the performers、飯村昭子
□ FACE, 1968-69年、19分、color、出演:マリオ・モンテツ、ドンナ.カーニス、リンダヴォイス・オーバー:飯村昭子




FLOWERS

ニューヨークに1960年代に滞在した時、私はヒッピー運動の高まりとともに、草間弥生の"ボディー・ペインティング"のパフォーマンスを公園などで見て、興味をもった。
パフォーマンスには、たくさんの人だかりがして、その中心で、草間は彼女のアートを実践した。私はそれらのパフォーマンスを映画で撮影したが、ある日、彼女は屋内でのパフォーマンスを知らせた。私は単に記録を撮ることには満足していなかったので、彼女のパフォーマンスと花々(それは、ヒッピーを意味するフラワー・チルドレンからきているが)との幾重にもわたるスーパーインポーズによって、ひとつのフィルム・ポエムを作った。パフォーマンスは必ずしも常に前面には現れず、むしろ、花々の間を幾重にも縫う織物のように現れた。それらは、私の映画の中でも言葉の真の意味で、もっともエロティックなシーンのひとつとなった。さらにもう一人の女性(飯村昭子)もソフト・フォーカスで現れた。最後に残るのは、ニューヨークの屋上に、エンパイア・ステート・ビルに宙づりにされた花模様のドレスが風に吹かれるばかりである。
それから約40年たって足立智美が興味深い音楽を創作した。(T.I.)


FACE

Flowersの制作と同じ年に、私はウォーホール映画のスーパー・スターの一人であるマリオ・モンテツ(往年のハリウッド・スター:マリア・モンテツからきている)と偶然にも知り合い、彼のトランベスタイド(女装)の美しさに惹かれた。そして、彼女の演技と、さらにやはり、アンダーグラウンド映画のブラック・コメディ、クッチャー兄弟に出演しているドンナ.カーネス、さらに個人的に知り合ったリンダにも出演を依頼した。それら三人の女性(マリオも含めて)の性の演技であり、同時に生の真実の記録でもある表現を顔のみに限定し、さらに超クローズアップを使って、フィクションと事実のはざまを微視的にモンタージュした。(ここには初期の「LOVE」からの継承があるが、カラーと個別の行為という違いがある)。どこからフィクションで、どこからが事実であるか、見る人は、混然として一体となった性(と生)の映像体験を見ることができるだろう。全編をおおう笑い声は「アブサード」(不条理)であると同時に生の自然が性の表現とマッチして、(或いは疎外して)いることを発見するだろう。(T.I.)



1968-68/2007年, 2 films, 30分、color、 NTSC/Region ALL
ISBN 978-4-901181-37-2
10,500円(本体価格10,000円)(個人価格)
31,500円(本体価格30,000円)(ライブラリー価格)